理事長あいさつ
~安心して住み続けられる地域を目指して~
写真提供:民医連新聞
近年医療への株式会社参入や混合診療全面解禁など、国民皆保険制度をないがしろにする施策が進められようとしています。また「医療保険改革関連法」や「医療・介護総合推進法」成立など医療・介護を取り巻く環境は厳しさを増し、全ての世代で経済格差、医療格差・健康格差が進みつつあります。しかしそのような情勢においてこそ、まさに私たち医療生協の出番ではないでしょうか。
私たちは、政府が意図する社会保障費抑制を目的とした退院促進と在宅療養推進、そして自己責任と互いの助け合いを強調する「安上がりな地域包括ケアシステム」にくみするのではなく、医療生協らしい「人がひととして大切にされる」「安心して住み続けられる」地域づくりを目指します。
病院では、「病気を診断する。治す・治し切る」という旧来の考え方だけではなく、「地域・在宅で、障がいや疾病を持ちながらも、その人らしい生活を送る人たちを医療・介護の面からどのように支えていくのか」、という立場で、介護事業者や地域の方々、家族とともに、地域・患者に関わってゆくよう努力します。
そして、私たち職員は医療と介護の連携と多職種協働をさらに深めることを目指します。さらに、組合員とともに要介護状態にならない保健・介護予防活動にとりくみます。制度改悪で困難が予想される「要支援」者や低所得者への対応・支援を強めるとともに、食事、移動支援などの助け合い活動、居場所づくりなど生活支援活動を創造し広げる活動も大切にします。
理事長 尾形 文智